OKAMOTO'S『BOY』(2019)


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OKAMOTO'S新譜。

 

現代的ラップサイド&80'sポップスサイドとはっきりとした区分けがされていた前作『No more music』とは打って変わり、かなり多様な音楽性の作品。

 

オープニングはストレートなロック「Dreaming man」。

リズムの取り方等凝った作りだが、基本的には拳突き上げ系のロック曲。

 

次の「Hole」を聴いて思ったけど、OKAMOTO'Sって今時のバンドにしては珍しくちゃんと構築されたギターソロ弾くよね。しかもちゃんと格好良い。

 

4曲目の「Higher」は前作に入ってそうなヒップホップ調の曲。ヴォーカルのオカモトショウはこの手の曲が1番生き生きしてる気がする。(NY生まれだから…?)

 

続く「ART(FCO2811)」はかなり印象的なヘヴィリフ中心のノりにくい曲。

このリフセンスにオールドスクールなロック魂を感じる。

変な曲だけど、「表現とは何か?誰の為のものか?」を渾身で叫び、妙に刺さる。

 

「偶然」はギターのオカモトコウキ曲。リードヴォーカルも本人。

イントロはブラス+フルートがメインで、オカモトコウキのヴォーカルも含め渋谷系感が全開。

 

「Animals」は打ち込み中心で何故か一昔前のサウンド

純粋さを失いつつある感性を嘆いている。前作のタイトル曲も、消費されるだけの音楽に疑問を呈していたけど、繰り返される「純粋なハート」のリフレインにそれと近いテーゼを感じる。

 

「Door」はオカモトコウキらしいポップセンスに溢れた曲で、単純に楽しめる。

 

が、とてつもないサージェントペパーズ感を感じるのは俺だけだろうか…。

純粋に「良い曲」という観点からいくとこの曲が1番かなと思う。

 

ラストの「Dancing Boy」は、なんだろう…青春……?

刻むハイハットに印象的なアルペジオ、浮遊感のあるサウンドメイク。

 

 

全体として、90年代のロック/ポップスの総括という印象。

平成生まれのメンバーが「BOY」の時代に浴びていた音楽を時代の終わりに思い起こさせようとしているんだろうか。

 

バラエティに富んだa.k.a雑多な印象のアルバムだけど、曲は良く練られて一曲一曲のクオリティは高く感じる。

聞き込めば化けるかも。