HELL FREEZES OVER『Speed metal assault』(2018)
東京を中心に活動している若手メタルバンドの初CD(EP)。
本作録音時には正規のドラマーが居なかった模様で、元ANTHEMの大内MADがヘルプ参加(現在はメンバーと同世代=20代半ばのドラマーが正式加入)。
もっとも、本人達は「スラッシュメタル」のカテゴライズには不服の模様。
確かにスラッシュメタルよりもメロディアスかつオーセンティックなメタルサウンドなので、まぁわかるっちゃあわかる。
アルバムタイトルも『スピードメタル~』だし。
バンドとしての特徴は…………なし!まったくなし!
「メタル」の一言に尽きる。
しかし彼等にとってはこれが最高の褒め言葉で、とにかく「俺達が好きで好きでしょうがないあのヘヴィメタルを演っている」感しかない。
収録の全4曲とも、何処かで聴いた風なのに、確かなオリジナリティを感じるリフ・ソロ・メロディがそのセンスの良さと作曲の丁寧さを伺わせる。
単調なメタルに見せかけて、実は気が付かない程自然に複数の展開がある。故に何度聴いても飽きが来ない。
演奏技術的には特別上手いという訳ではなく、多少速い刻みとライナーにある「Old school Marshall amps」さえあれば再現は出来る曲だが、どれだけ演奏技術があっても「俺はメタルが好きだ!」の精神がないと絶対に出し得ないサウンド。
メタルに限らず全ロックファンに対して、忘れかけていたあの頃の衝動を思い起こさせてくれる青春盤。